令和3年2月定例会 一般質問

質問

 皆さん、おはようございます。本日1番で、無所属、由田隆、一般質問をただいまから執り行います。
本日の私は、2点にわたって質問をさせていただきます。

森喜朗前会長の女性蔑視発言について

初めに、鳥取県における人権政策の実践とその課題について、平井知事、山本教育長に伺います。
冒頭、東京オリンピック・パラリンピックの組織委員長であった森喜朗前会長の女性蔑視発言について伺います。
森氏の発言には、私は女性を対等に見ない差別の視線を感じます。女性はわきまえないという言葉からは、自分にとって都合のいい人かどうかを自分の尺度で判断できるという特権意識がかいま見えます。また、会合では、問題発言後、笑いが起きたという報道がありました。このことは、森氏だけの問題ではなく、沈黙は賛成の意思表示と言われるように、森さんを下支えしているこの組織こそ、私は問題があるというふうに感じます。森氏の女性蔑視発言に反対する署名が、僅か7日間で15万7,400人集まったそうであります。その署名はオリンピック組織委員会に提出をされています。
また県内でも、今回の問題をきっかけに、女性の社会参加の推進、多様性を重んじる環境づくりに取り組む必要があるとの意見が相次いで新聞に掲載をされていました。その中の一つ、3月3日、日本海新聞の読者の欄「私の視点」の、米子市の60代の女性の投稿が目に留まりました。御本人の承諾を得ていますので、少し紹介をいたしたいというふうに思います。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の前会長、森さんの発言、女性蔑視が大きな騒動になり、驚きました。女性が男性と対等に仕事をしていくために本来必要としない苦労や忍耐が強いられ、それがさも当然だと考えられている。私は30年以上、中学校の教師として勤め、平成30年に退職をいたしました。この間、随分失礼な言葉を投げかけられました。女だてらに、女の割には、女のくせに、飲み会の席では、女は黙っとれと罵倒されたことも何度もありました。私は腹は立ちますが、一々文句を言おうものなら、これだから女はとさらに女性蔑視が深まり、男女差別が正当化されかねません。幾ら女性蔑視の言葉を受けても、目くじらを立てたり、そして怒ったり批判的な意見を言うことを極力避けてきました。私ができる唯一の抵抗は、だから女はと言わせないだけの仕事をすることでした。提案や意見は、感情的にならず論理的に語る。自分がきちんと仕事をしていくことが、ささやかでも女性の立場を確立をしていく一歩になると期待しました。何げない言葉でも、女性であるがために受ける数々の不利益や不愉快は、まさしく差別によるものであると考えています。しかし、今思えば、被差別の立場にありながら自分の思いや意見をきちんと述べてこなかったことは、差別を容認することだったと言えるかもしれません。今回の騒動が日本社会にはびこる男女差別の風潮への問題提起となり、解消に向けて一歩でも進めば、こんなにありがたいことはありません。誰もが人として認められ、自分らしく生きていける日本社会になることを望んでやみませんと結んでいます。
このたびのことを私はどうしても御本人からお話を伺いたくて、連絡を取り、お話を聞くことができました。この方いわく、この投稿で私は強い女だというふうに思われるかも分かりませんが、この間、実に多くの方に支えられ、励まされ、これまで生きてくることができましたと話されていました。自らの立場を明らかにして勇気ある発言に敬意を表したいというふうに思います。
県内に暮らす全ての人の人権が尊重される社会を実現するため、相互に協力し、あらゆる差別の解消に取り組むため、今議会に人権条例の改正案が上程をされています。平井知事に、改めて森前会長の女性蔑視発言と、その後のジェンダー平等を求める県民の声に対しての感想を初めにお伺いいたします。

2016年、平成28年には、差別を解消することを目的にした3つの法律が制定されました。本県の人権政策の取組について伺います。

2016年、平成28年には、差別を解消することを目的にした3つの法律が制定されました。その年の4月に障害者差別解消法、そして6月にはヘイトスピーチ解消法、そして12月には部落差別解消推進法という人権に関する法律が施行されました。この法律が制定されて4年が経過をいたしました。これらの法律の制定以降、本県の人権政策の取組について伺います。
2016年4月制定の障害者差別解消法は、障害のある人もない人も、相互の人格と特性を尊重しながら共生する社会の実現を目的にするというふうになっています。この法律制定後、本県の進める人権政策について、意を用いて政策推進を行った点があればお示しください。
6月のヘイトスピーチ解消法は、本邦外出身者、いわゆる外国にルーツがある定住外国人のことでありますが、この方らへの不当な差別的言動の解消に向けた取組に対して、国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、基本的施策を定め、推進することを目的としています。本県においていまだヘイトスピーチは起きていないまでも、この法律の基本理念としての、国民は本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けて理解を深めるとともに、地方公共団体は、相談体制の整備、そして教育啓発活動の充実が求められています。平井知事、山本教育長には、本県におけるこの間の取組を伺います。
12月の部落差別解消推進法では、6条に、国は部落差別の解消に関する施策の実施のため、地方公共団体の協力を得て、部落差別の実態に関わる調査を行うこととされていて、2020年、昨年8月に調査結果が報告されています。国民に対する部落差別意識調査では、調査当時、15歳以上の対象人口が1億1,000万人に対して、その調査規模が1万人としたことや、そのうち有効回答は6,216人という調査実績では、調査規模が適切なものとは思えません。それらを補完するため、今、鳥取県でも実態調査が行われています。その結果も今精査中であるというふうに伺っています。今回の調査は、調査員が訪問して調査票を配布、回収する方法が採用されたことは評価できると思いますが、ただ、訪問回収を行いながら約40%が未回収になっている。配布、回収する際に聞き取りができなかったのかという疑問が残ります。未回収の40%の中に、例えば部落差別を認めない、部落差別を知らない、自分とは関係ないというような意識があるとすれば、今後の教育啓発の課題がそこにあると思われます。本県も、先ほど述べたように調査を行っています。その調査結果の概要と、これからの政策課題が明らかになっていればお示しください。

鳥取県人権尊重の社会づくり条例の一部を改正する条例について

次に、議案第79号、鳥取県人権尊重の社会づくり条例の一部を改正する条例について伺います。
私自身が初めてこの議場で平井知事に質問したのが令和元年6月議会でした。自らの出自を明らかにし、すなわち被差別部落出身、部落解放同盟員であることをここで表明しながら、2016年12月に制定された部落差別解消推進法に基づく鳥取県の同和行政の推進のために、条例の改正案を、あるいは条例の制定を求めた経過があります。それから2年が経過いたしました。改めて平井知事には、今回の条例の上程に伴うその思いを議場で述べていただければというふうに思います。

鳥取県の義務教育学校の再編問題について

 質問の最後に、鳥取県の義務教育学校の再編問題について、山本教育長に伺います。
質問の趣旨は、2015年の文科省の学校統合に関する通達を踏まえ、現在まで進められてきた本県の学校再編について、鳥取県教育委員会の立ち位置、その役割について、以下お伺いいたします。
初めに、平成の大合併以降、県内の市町村で進めてきた学校再編の再編状況についてお伺いいたします。
そして、市町村が進める学校再編と県教委の関係について伺います。市町村が進めてきた学校再編に県教委はどのような関わり方をされてこられたのか、指導等を行ったということであれば、その根拠について伺います。そもそも国は学校再編をなぜ推奨しているのか、その理由とともに、本県教育委員会はどのように認識をしてその役割を務めてきたのか、教育長の見解を伺い、壇上からの質問といたします。

知事答弁

 由田議員の一般質問にお答えを申し上げます。

 由田議員のほうからは、自らの様々な経験を基にしまして、思いの深い御質問をいただきました。私ども鳥取県としても、やはり絆社会ということを大切にしたいと思っています。一人一人が大切にされる、そういう社会づくりに向けまして、今後、議員のほうからお話がありました、御提案もあった人権の条例等々、これから誠実に取り組んでまいりたいということをまずもって申し上げたいと思います。
こうした人権の観点につきまして、何点かお尋ねがございました。女性の参画のこと、また障害者差別解消法のこと、ヘイトスピーチ解消法のこと、さらには部落差別の実態調査等につきましてお尋ねがございました。この部落差別の実態調査につきましては、詳細につきまして人権局長のほうからお話を申し上げたいと思います。
まず、冒頭お話がありました森前会長のオリンピック組織委員会での発言についてであります。これにつきましては、世界中に衝撃を与えたと思われます。現実にも、日本国内の報道はもとより、全世界で同時にこの森前会長の発言が取り上げられました。恐らく本人はそんなに悪意は持っていなくて、何げなくおっしゃったのかもしれませんし、笑いが起きたということは、多分一つのサービス精神的な思いもあって、どういう表現を用いられたのかよく詳細は知りませんが、そういう一つの話としておっしゃったのかもしれません。しかし、内容は、図らずも日本の後進性を明らかにしてしまったということだと思います。
日本はジェンダーギャップ指数のほうでは121位と、全世界でも1つ周回遅れぐらいの状況であります。この状況を打破するために、鳥取県でも男女共同参画や女性活躍推進にも取り組んでいるところでございますし、幾つかの成果も出してきていると思います。社会参画の面では、最近非常にクローズアップされてきた防災の会議で女性の参画がありますが、これがいち早く4割を突破したのは鳥取県でありました。今も同じ水準でありまして、トップスリーぐらいのところを争っているということでありますが、4割を超えれば基本的には参画されているということだと思います。これも実は非常に難しいのです。防災会議の構成については法律で定めがあり、こういう人を置かなければならないと。そこに女性が就任しているかどうかということはなかなか難しい。つまり、例えば電力会社だとか、ガス会社とか、放送局であるだとか、みんな決まっているのです。そういうメンバーの中で選ばなくてはいけないと。放っておきますと、それぞれのコミュニティーにおいて男性がポストを得ていますので、女性の参画はおぼつかないわけです。
当時、私も発想の転換をしようと防災局のほうに申し上げまして、別にトップでなくてもいいではないかと、そこで女性として発言できる方、こういう方を調整して全体で40%を超えるようにということは可能ではないだろうかと。正直、役所の中では暴論と受け取られたと思います。ただ、現実にやってみたところで何の不都合もありませんし、それから、ふだんからそういう防災関係の組織とは対話もしているわけでありまして、防災会議という、例えば避難所での女性の居住性の問題であるとか、そうしたことなどを議論するにはこういう構成が必要だったと思います。私どものそうした言わば挑戦的なやり方に、その後、徳島県なども追随してこられまして、今幾つかのところはこうなっていますが、相変わらず全国的には女性の比率が低いと。これは最近も新聞などで全国の比較などを取り上げられまして、今非常にクローズアップされている問題であろうかと思います。こういうところに切り込んでみたり、女性の職員登用も県庁としても率先垂範をやろうと。これもやはりかなり無理をして当初は取り組んでいたわけでありますが、今、職員の皆さんにも、こうした人事の方針は受け入れていただけているようになったと思っております。
やはり何事も変えていくためには、最初はエンジンを吹かしてタブーに挑戦することも必要なのだと思います。それが社会を変える力にもなるのだと思います。日本というのは、いい意味でも悪い意味でも村社会的なところがあって、こういう女性の参画ということについても、ある意味なあなあで済ませてきたところがあるのだと思います。
私は、今回の森発言、これが逆に先進的な男女共同参画へ持っていくための一つのきっかけになればというふうに思います。3月10日に別の用事がありまして、今のオリンピック組織委員会の橋本会長からお電話がございました。橋本会長とは以前から、大臣時代とかお付き合いもさせていただいておりますので、そういうようなお話をさせていただき、会長に御就任されたことのお祝いをその場で申し上げて、女性委員が42%になった、すごいですねというふうに申し上げました。橋本会長もそのことは大分意を用いていたようでありまして、大変に得心がいったような、そういう御様子でございました。あの発言がなければ、このように日本もやっているのだということを世界に見せるチャンスはなかったかもしれません。これを基に変わることができればと思いますが、日本のドイツ大使館をはじめとして、ドント・ビー・サイレントといった、そういうネットでの輪が広がることは目を覆うところがございました。
いずれにいたしましても、この問題は辞任をもって決着をし、新しい体制が動き出したわけでありますから、むしろ私は、そういう新しいオリンピック組織委員会、さらにはこのムーブメントが他の社会の隅々に行き渡っていくことを願ってやみません。
そういう意味で、我々鳥取県として何ができるかということでありますが、日本女性会議2022in鳥取くらよしが、いよいよ来年開催されることになります。昨年9月に実行委員会が開催されるなど、今そのポジションが固まってきているのではないかなというふうに考えているところであります。テーマとしては「Smile in くらよし」ということを掲げていこうと。誰もが笑顔になれる、そういう未来をつくろうという、そういうメッセージであります。その中で鳥取県の各地の取組を紹介したり、鳥取のいろんなところも体験していただいたりして、全国から来られる女性会議の皆様と一緒に、この先、つまりオリパラ後の男女共同参画、女性活躍という、そういう社会をこの鳥取から発信できたらなというふうに思います。現実にも倉吉にはよりん彩がございまして、通常ですと年に30回ぐらい出前講義をされるくらい定着をしてきているところであります。そういう言わば本拠地として、鳥取県としてもよりん彩という組織なども参画をさせていただいたりしまして、この森発言というものを逆に転機にしていけるように全力を挙げてまいりたいと思います。
次に、障害者差別解消法につきましてお話がございました。これは平成28年4月に施行されたわけでありますが、実はその前から、制定されるときからこの議場でもこの問題を取り上げる議論が各議員さんからもございまして、そういうようなことから、施行前後からスタートをさせていただいております。平成28年3月には、障害者の相談支援窓口を県の東・中・西につくらせていただきました。そういうような具体的な取組や、職員のほうでも行為規範というものをつくりまして、こういう障害者差別の解消、それから合理的配慮、これを徹底する職員のルールづくりということも取り組ませていただいたところであります。そういう中でいろいろと出てくる御意見等もございましたし、この制定後も、こういう障害者の皆さんが快適に暮らせるようなまちづくり等々、あるいは設備などの支援措置を導入させていただいたりしています。
例えば、倉吉にあかまる牛肉店さんがありますが、あそこのところでも障害者の方、聴覚障害の方などコミュニケーションという問題があります。それで、それを保障するためのタブレット配置などをこういう県の補助制度を使って進めてこられるなど、いろんなお店でこうしたスキームが使われ、障害者の方への言わば合理的な配慮がなされるようになってきていると思います。
実は、これに先立って、国連で障害者権利条約が制定をされました。障害者差別解消法は、その権利条約の内容を国内法に表現したという側面があります。批准と関係があるわけです。本県では障害者権利条約の制定後、その内容を県民運動としてスタートさせたのがあいサポート運動であり、平成21年にスタートをしたところです。今では県の人口を上回るぐらい全国でも参画がなされるようになりまして、10年余りですっかり各地へ広がったことになりました。やはりこういう取組というのは多くの方々の共感も得られるわけでありますし、鳥取から始めて全国や、あるいは韓国の江原道にも広がる、そういうものでもあります。言わば人類の普遍的価値を表現したものなのだろうと思います。
今、政府のほうでは、さらなるこの推進をということで、従来、事業者におきます合理的な配慮につきましては努力義務でありましたけれども、今、これを義務化しようという改正案も議論されるようになってきました。我々としても歓迎をしたいというふうに考えております。9日に閣議決定がなされまして国会に入っているところでありますが、その成立を望みたいと思います。
ヘイトスピーチ解消法も平成28年に制定されたものであります。これにつきましては、象徴的なのは川崎市だったと思います。様々なヘイトスピーチのデモが行われまして、これが国民全体にとって非常に不安感を抱かせましたし、憤りももたらしました。川崎市では公園の使用禁止というようなことも含めて対応され、その後、条例制定をされているところでございます。こういうようなことは全国的にも起きていまして、非常に残念な状況だというふうに思います。
私ども鳥取県としても、議会での取組もありましたし、私自身も、以前この件で上川法務大臣に要請に上がったこともございます。政府のほうでもこういうヘイトスピーチ対策というのを進めてこられる中で、この法律が出来上がったということになりました。私どもとしても、国際的な国と国との違いということはあっても、これを乗り越えていくことの大切さというのを国際交流等を通して県民の皆様にも体験をしてきていただきましたし、今後ともそういう相互理解というものを深めてまいりたいと思います。
残りにつきましては、人権尊重の社会づくり条例に基づきます相談ネットワークでの相談対応でございますとか、それからインターネット上の監視活動などもさせていただいておりまして、実効性のある取組をしてまいりたいと思います。
これに部落差別の実態調査のお話がございましたが、詳細は局長のほうからお話しさせていただきますけれども、当県の実態調査としては、独り親世帯だとか生活困窮の問題が立法化の中での大きな課題としてクローズアップされていることが分かりまして、県のほうの事業を活用して、生活相談の支援などのそういう人材育成等に取り組ませていただいたりということを昨年の調査に基づいてしているところであります。関係団体と協力をしながらさらなる実態調査を今やっているところでありまして、それに基づいて、なお一層推進をしてまいりたいと思います。
そして、鳥取県人権尊重の社会づくり条例の改正についてお話がございました。これは鳥取県が言わば金字塔としている条例であります。平成7年にこの議場におきまして、当時の杉根県議会議員、今は御逝去されておられますけれども、情熱を込めてここで質問をされまして、こういう人権尊重に取り組む条例を制定すべきだと説かれました。当時の西尾県知事がそれに応えられまして検討を約束され、様々な議論、いろんな団体と話し合ったり、それから有識者のお考えを入れたりしまして、人権尊重の社会づくり条例という条例を平成8年に制定をしたわけであります。全国でも初めての条例でございました。これが各地に影響を与えてきたところでありますし、私どもとしては、大切な大切な心のよりどころとしての条例であります。その後、平成21年に相談のネットワークをつくるなどの改正をさせていただきながら、今回さらなる改正案を上程させていただきました。
議員のほうからも、部落差別解消法との関わりにおいて、条例のようなルール、規範が必要ではないかというようなお話が度重ねてございましたし、また、別の議員さんからも、私どもが制定をお願いいたしましたクラスター対策条例、この人権規定というものがございますが、こういうものが失効した後どうするのかと、こういうような問題提起もいただいたところでございました。そういう議会での声を踏まえまして、このたび大きな改正に踏み切らせていただくこととしたわけであります。
クラスター対策条例は、これも全国のリードを果たしながら感染症ということに向かっていったわけでありますが、実はここで初めてインターネット上のことなども含めた差別解消ということを出させていただいたわけであります。誹謗中傷をしてはいけませんよとか、あるいは応援する気持ちで向かってくださいとか、こういうような独自の条例を制定したわけです。この精神は、ほかの領域にも生きるだろうと思います。クラスター対策条例は、来年の1月に失効するという時限立法でございますが、それで病気の問題も終わるわけではございません。
さらに考えてみますと、こういう被差別部落という課題があったり、また、女性あるいは性自認の問題、それから障害者、国籍の問題、様々な差別というのは、やはり本県の中でも残念ながら見られる現状があると。それで、こうした様々な領域の人権を尊重しようと、そういう差別を解消しようという条例をお願いしようというものでありまして、こういう包括的な禁止というのは、実は都道府県の条例で初めてのことになります。それから、インターネットについてもこの条例の中に入れさせていただきました。かねて由田議員も強調されていたことであります。インターネットを利用した、そういう誹謗中傷等が絶えない。こういうこともこの条例の射程範囲というふうにさせていただき、これも全国で初めてのことであります。
こういうことに基づきまして、県としても啓発を行うとか、それからモニタリング、サーベイランスを行うとか、調査等を規定させていただきまして条例にさせていただいたものでありまして、ぜひ十分な御審議、御指導をいただければありがたいというふうに考える次第でございます。
こういう人権というものは、今、世界中でもう一度見直されようとしているのではないかなと思います。やはりバイデン政権が誕生しまして、その背景には、あってはならないカラーの問題、人種の問題ということがございました。今アメリカでは、残念ながらアジア系が排撃をされていまして、ヘイトクライムが頻発をしているということであります。こういうような多くの分断がこの世界の中で生まれてきていて、バイデン大統領も先日の演説で、これはやめなければならないと、アメリカ人がやってはいけないことというふうに言っておられます。こういうようなことが世界中で今問題になっている背景には、私はインターネットがあると思います。少数者が、あたかも多数のように装うことができるのです。正しくないことでも正しいように流すことができる。それがあのフェイクニュースであったりしますし、少数者の発言の機会でもあるのですけれども、ただ、これを冷静に見られるだけの度量というか、そのキャパシティー、能力がまだ社会の中に成熟していないというのもあると思うのです。
今、そういう意味で例えば象徴的なのは、愛知県のほうで行われました、これは解職請求の直接請求の不正問題であります。この発端は芸術イベントをめぐるものでありますが、一種の非常に感情的な問題を呼んでいたのだろうというふうに思います。こういうことが引き金になってこの署名活動になったのだと思いますけれども、結局インターネットだと、開けてみると同じようなことが物すごく並んでいます。あたかも世間みんながそう考えているかのような感じを与えますが、実際に署名活動をしてみると集まらないわけです。それでああいうことになって虚偽の署名を重ねていったということで、言わば自慰活動をしたということだと思うのです。
このように、リアルな現実社会とインターネットで繰り広げられているそういう言動とは、実は構成が全く違うものであります。これは当たり前のことなのですけれども、このことに世界の人々はまだ慣れていないわけでありまして、ある差別的なことが、すぐに国中に、世界中に、地域全体に広がってしまう。こういうようなことの危険性があると思うのです。そういう意味で私たちは、インターネットのことも含めて人権尊重の社会づくり条例を今ここで包括的に規定することの意義というのは、私は非常に高いものがあるだろうというふうに考えております。ぜひ議会の皆様の御審議をいただければと思います。

人権局長答弁

 実態調査の状況でありますとか課題の把握について、補足の答弁をいたします。
議員の御指摘がございました、昨年6月に公表されました法務省の調査の結果でございますけれども、いまだ差別がなくなっていないことですとか、インターネット上の差別事案の割合が増加傾向にあるといった実態が把握されたと承知しております。また、調査結果のまとめといたしまして、今後の施策の在り方として、教育啓発ですとか相談窓口の周知、相談員の対応能力の向上など、そういった必要性が示されたところでございます。
県といたしましても、独自に必要な実態調査を進めてございます。令和元年度には、隣保館を通じた地域課題把握調査を実施いたしました。その結果、見えてきたことといたしまして、隣保館への被差別に関する相談は減ってきていると。しかしながら、高齢者ですとか独り親の世帯等で生活困窮等、様々な困難を抱えている実態というのが見えてきたところでございます。こうした困難を抱えているにもかかわらず必要な福祉サービス等の支援を受けられていない世帯ですとか、被差別の状況などにつきましては、やはり当事者の声を受けなければ把握ができないといったことがございましたので、今年度は、当事者団体のほうで被差別部落住民の困り事調査といたしまして、県が行った隣保館を通じた課題把握調査を掘り下げる内容の調査を実施したところでございます。現在は、実施者である当事者団体で回答を集計中、まとめを行っているところでございまして、今後分析を行いながら、それに対応した必要な施策の検討を行うこととしております。
こうした調査の結果を生かしながら、例えば困難を抱えた世帯等に対します必要な支援を届けるための、隣保館と地域の福祉相談機関との連携強化でありますとか、相談員の資質向上のための取組の強化、例えばアドバイザーの派遣ですとか、あるいは職員のスキルアップ研修の実施というのは今年度から実施しておりますし、こういったこととともに、当事者の被差別体験等を踏まえて、部落差別の解消に向けた効果的な啓発を推進するなどの取組を進めてまいりたいと考えております。

教育委員会教育長答弁

 由田議員の一般質問にお答えを申し上げます。

 初めに、人権教育、特にヘイトスピーチの解消に向けての教育につきましてお尋ねがございました。28年度に改正されました三法、いずれもこの年の年度末に人権教育基本方針というのを定めておりますが、それを改定してその内容についても盛り込み、課題解決に向けた取組の推進に努めてきております。教職員の研修でもこうした内容について改めて組み込んで、人権教育に関する研修を実施しておりますほか、各学校でも人権教育に関する授業研究会、公開授業などを実施して、特に最近では、この議場でも何度かお話ししているかと思いますが、参加型の学習ということを展開をしておりまして、児童生徒が自分事として捉えてその授業の中に参加していくといった形の授業展開を推進しているところでございます。
御質問がありましたヘイトスピーチ解消法につきましては、外国人差別あるいはヘイトスピーチについて学ぶことを通して、外国人に対する偏見、あるいは差別意識を解消し、外国人の持つ文化あるいは多様性を受け入れ、一人一人の人権を尊重していく観点から、多文化共生社会の実現に向けて自分たちにできることを考えさせる授業を行ってきております。
一例を申し上げますと、例えば米子市にあります東山中学校というところでは、まず動画でヘイトスピーチを目の当たりにした親子の会話を見せるといったところから、ヘイトスピーチの現実を知るといったところを映像を使って学び、その続きで、ヘイトスピーチの会話の中で不合理さであったり不条理さ、そうしたものをまず考えさせると。その上で、子供たちに身近な題材を使うという意味で、スポーツ界の人権を題材といたしまして、国籍など多様なルーツの選手が集まっているラグビー日本代表を取り上げて、チームの選手へのネット上の心ない書き込み、そうしたものを資料として見せる一方で、ラグビー日本代表がその中でワンチームとしてみんなが結束して戦う、そうしたことに向けての取組であったり、あるいはその代表チームを応援する人々の姿、考え方であったり、そうしたものを資料でまとめ、資料を参考にしてグループで討議をするといったことをやっております。そうした中で、自分たちとして何が行動できるか、どんなことができるかといったことについて考えて話し合う授業を行ったところでございます。
こうした授業の中で生徒からは、外国人だからといって態度を変えるのではなくて、一人の人間として関わっていきたいと思うといったことであったり、周りに差別的な行動や発言をしている人がいたら、その人、発言している人を見下したり否定するのではなくて、それは違うのだということを注意していく、そうしたことが要るのではないか、そうしたことをやっていけば、ゼロにはできないかもしれないけれども、減っていくと思うと、自分はそうしたことをやっていきたいといったような意見など、活発な意見交換が出されたところでございます。
今後とも、こうした参加型の授業などを含めて学校教育全体を通して一人一人の人権が尊重され、人と人のつながりを大切にして、あらゆる差別を許さないという意識を醸成していく教育実践を進めていきたいと考えておるところでございます。
続きまして、市町村立学校、小中学校の学校統廃合に関する御質問をいただきました。平成の大合併以降、小中学校は本県でも統廃合が進められてきておりまして、平成18年度に小学校152校、中学校61校あったものが、令和2年度には小学校が117校、中学校が52校、そしてまた、新しくできました義務教育学校が4校ということで、この14年間で40校少なくなってきているといった状況でございます。
学校統廃合の検討は、様々な要素が絡む課題であろうというふうに思っております。お話しの国の通知の中で、学校規模について国が定める標準というのもありますが、特段拘束力があるものでもなく、弾力的なものということでございます。また、行政の側が一方的に定めるといったことでもなかろうかというふうに思っておりまして、まずは子供の学びをしっかりと進めていく上でどういう教育環境が望ましいのかといったことを第一にしながら、保護者あるいは地域住民の方々の理解と協力を得て、丁寧な議論をすることが望まれると考えております。
広域の教育行政を担います県の教育委員会といたしましては、県内全体の学校教育の充実、発展に責任を持つ立場から、市町村のニーズであったり実情を踏まえた適切な指導、助言、そしてまた支援を行うことが期待をされているわけでございますが、本県としましても、まずは各市町村が地域と丁寧に議論を進めるべきであるというふうに考えておりまして、県のほうで一方的に学校の統廃合について積極的に推し進めるということはやっておりませんし、これからもないのではないかなというふうに思っております。近年では、例えば小中一貫校、先ほど義務教育学校というお話をしましたが、そうする中で、一定の子供、児童生徒の数をキープしながら切磋琢磨できる、そうした環境を整えるといった考え方もありまして、例えば鳥取市の義務教育学校開設に当たりましては、国への申請についてのアドバイスであったり、あるいは小中9年間を見通した系統的なカリキュラムづくりなどの支援をさせていただいたところでございます。また、小規模校におきましてはどうしても標準法というものがありまして、それによって教員の数が決まってくるわけでございますが、学校運営に支障が出るような場合もあります。そうしたときに児童生徒の教育活動に支障が生じることがないように、県のほうで加配をするといったことで市町村の取組を支援をしてきておるところでございます。
コロナ禍におきまして、今そこで十分に教科の先生がそろわなくても、オンラインの授業など、可能性としてはいろんな広がりがあろうというふうにも思いますし、また、デュアルスクールといった、この議会でも御議論がありました、そんな取組も徳島などでは始まってきております。いろんな教育環境の整備の仕方というのはこれからも出てくるのではないかなというふうに思っておりまして、そうしたことも踏まえて、統廃合というものもこれから在り方というものが変わってくる、そうした可能性もあります。
県としては、先ほども申し上げましたが、まずは義務教育を所管します市町村のほうでしっかりと地域の方々、保護者の方々と意見交換をしながら、どう子供たちの教育環境を整えていくか、しっかりと考えながら御検討いただきたいと思いますし、県のほうでも必要に応じてしっかりと支援をしてまいりたいと考えております。

再質問1

 それぞれ御答弁をいただきました。再質問を行います。
まず、人権政策についてでありますが、冒頭、知事より、森前会長の女性蔑視発言について、私も同様の気持ちを持っています。質問の中では厳しく指摘をさせていただきましたが、やはり今回の功罪を考えてみたときに、あの発言が、その後のジェンダーフリーあるいは平等ということが大きく国民に意識づけられた、ある意味いいきっかけであったというふうに思います。そして、知事の答弁の中にもありました、部落差別も一緒なのですが、やはりこういう事態になったとき、どう国民に意識づけをできるか、それを抑制できる意識を国民にどう植え付けるかがこれからの課題だろうというふうに思います。今の言い方で言えば、コロナ禍で言えば集団免疫ではないでしょうか。教育長の御答弁にもありましたが、差別の問題等を考えたときに、学校教育や社会教育の中で、やはりそういう意識を醸成させていく。ウイルスと比較してはいけませんが、差別発言、暴言を吐く人を周囲が、そんなことよしなさいよ、受け付けない免疫をつくっていくことが私は肝要であろうというふうに思います。当然、差別された方にはそれに応じた罰が与えられるべきとは思いますが、それを受け付けない体制づくり、国民づくりが大事であろう、県民づくりが大事だろうというふうに私は思っています。御答弁ありがとうございました。
私たちの課題として、今、部落調査の復刻版差止め訴訟を闘っています。今、部落解放同盟と同盟員248人が、鳥取ループ、示現舎を相手取って訴訟を起こしています。これは皆さん御存じのとおりでありまして、鳥取ループが、以前にあった全国部落調査をどこからか入手をして、それをネットに上げる。ましてや、それを販売しようとした経過があります。その復刻版の販売禁止とネット上のリストを削除する要請を行い、訴訟を行っています。その前段に、横浜地裁ではこの行為に対して仮決定をして、それを今止めている。その後で私たちは訴訟に取り組んでいるわけであります。
知事も御存じかも分かりませんが、今この問題は、実は大きな問題なのです。この鳥取ループ、法務局が人権擁護上看過できないとしてリストの削除を説示したにもかかわらず、削除要請したにもかかわらず、今度は別のサイトに同じような内容で名前を変えてこれを上げている。もうこれは、今の部落差別解消推進法とか条例ではなかなか規制ができない状況になっています。しかし、私たちの願いでは、今回のこの訴訟の闘いに勝利した上で、次のステップで新しい法の制定、いわゆる差別禁止法、人権侵害仲裁法を求めていくという手続に入らなければならないというふうに私は思っています。これらがないと、今、鳥取ループ、示現舎の行っている行為は、法律上では阻止できない状況であるというふうに御理解をいただきたいというふうに思います。
知事のほうから、モニタリングのことを言っていただきました。私はモニタリング調査のことでいえば、大事なことは、今、全国の自治体でこの調査を行っていますが、ネットワークが必要だと思います。やはりそれらでガイドラインをつくって、もっと厳しく対応していく体制をつくることが必要だと思いますし、その予算措置に対しては、やはり現下の状況に鑑みて、国に措置を求めたらいかがでしょうか、求めたいというふうに思います。
教育長から、学校再編について御答弁をいただきました。私が気になったのは、文科省の事務次官通知の中で、やはり今、少子化、子供の人数は少なくなっている、そういうときに、子供の学びを保障できない等の趣旨の文言が載って、やはりそれを改善するためには学校再編が必要だというふうに結果的に述べられている部分がありました。でも、今の教育長の御答弁を聞けば、実はその手引の中にも、今ある学校も十分生かしながら、少人数学校のメリットを生かしながらデメリットを最少にしていくというようなことが述べられていますので、これからも県内の学校から、少人数の学校で生き残って学びを保障するためにはどうしたらいいのか、そういう視点で県教委も市町村の学校にアドバイスをしていただきたいなというふうに思います。御答弁をいただければというふうに思いますが、いかがでしょうか。

知事再答弁1

 由田議員から重ねてのお話がありました。
男女共同参画の課題につきましてもお話がありましたが、議員が免疫というお話をされましたけれども、そういう働きというのは社会全体であるのかなと思って伺っておりました。多分鳥取というのはある程度コミュニティーがまだしっかりしていまして、お互いに相手を思いやりながら、人を傷つけることはやめようと、やめなさいよと言える、そういう社会がまだ残っていると思います。これを生かして、今回の人権の新しい条例制定、こういうことでまた変革をもたらすことができればなというふうに思いました。
また、訴訟が行われていることにつきましても言及があり、モニタリングにつきましてもお話がございました。インターネットを通じまして人権侵害が次から次へと起こっているという状況があると。中には、テレビ番組のことで中傷されて自殺したという若い女性の報道もありました。こういうようなことが日常茶飯事に起こるというのは、ネット社会の便利さと裏腹に、非常に危険性も内在していることを感じざるを得ません。
平成28年に議員が御指摘のような事象が出てきて、実は鳥取県も、法務局のほうに人権侵害事犯として我々もすぐさま申入れをさせていただき、できることはないか、例えばプロバイダーとか、あちらこちらに当たってみたわけであります。ところが、なかなかできないのです。非常に、ある意味法律で自由が守られているという側面があり、インターネットというまだ新しい、規制対象外のようなことがありました。当時から大分苦労していますが、いよいよ裁判のほうも結審のときを迎えることになってきておりまして、それに注目をしてまいりたいと思います。
また、モニタリングも、今19の市町村などと一緒になりましてそのモニタリングの組織をつくらせていただき、現にそのうちの半分ぐらい、それぞれで分担し合いながらモニタリングをしておりますし、今年度はネットワークによるモニタリングのマニュアルも作ったりしております。県としても今まで264件の削除要請をさせていただき、現実にもその半分弱は削除が実現をしているところであります。ただ、やはり限界があるのです。それで我々も政府のほうに申し上げているのは、議員のほうでお金の話がありましたが、それ以上にやはり制度の問題です。特にインターネットで掲示されている限りは残っていますし、これがどんどん拡散していくという、それが現代社会の恐ろしさであります。これを何とかするためには、プロバイダーが出している、この出されている情報というものを消さなければいけないということでありますが、そこに行き着くためには2つほど裁判をやっていかないといけないということでありました。法務省は今、刑事上、民事上の両方のアプローチで、インターネットを通じた人権侵害への対処につきまして検討されています。いずれ何らかの制度改正が出てくるのではないかと期待をいたしております。
また、総務省のほうでは、こうした情報開示を中心として、こういう人権侵害にわたるような、事犯についての研究会を持たれて、12月にその答申が出来上がり、先月末にプロバイダ責任制限法の改正案が上程をされました。この中で、その対象範囲であるとか、新しい非訴訟手続、裁判所がやる裁判ではない手続、それで、1回でそういう情報開示を求めることができるようなやり方を今国会のほうに上程をしています。
私どもとしても、これからもこうした制度改正も含めまして、インターネット上による人権侵害の是正につきまして、実効ある措置を国に求めてまいりたいと思います。

教育委員会教育長再答弁1

 由田議員から、学校の統廃合につきまして重ねてお尋ねをいただきました。
先ほども御答弁いたしましたけれども、やはり子供たちの学びの環境をどう整えていくか、そうしたことの中でこの学校の統廃合というのも考えていただければと、もちろんいろんな要因はありますけれども、教育サイドとしては、やはり子供たちの学びをどう考えていくのか、そこを第一に考えていただければありがたいかなというふうにも思うところでありますが、今、ICTを活用した教育であったり、様々な形で教育環境が変わってきています。これまでできなかったことができるようになってくる、例えば遠隔地の学校の子供たちとICTを通じて一緒に学ぶことができるようになってくる、そうしたことも含めて、教育環境もこれから随分変わっていくということもあろうかと思います。そうしたことも含めて学校の統廃合を考えていただければというふうに思います。
小規模につきましては、メリットもデメリットもあろうというふうに思います。一人一人に目が届きやすいというメリットもありますし、逆に切磋琢磨しづらい部分があったり、新しい人間関係を築く力が育成しにくいといったようなこともあろうかと思いますが、いろんな解消法もそれぞれあるのではないかなというふうに思っております。そうしたことについて、県のほうも相談に乗ったり御支援を申し上げたりということを引き続きやっていきたいというふうに思いますし、まずは市町村のほうで、これは多分正解というのはなくて、恐らく保護者の方々、地域の方々も含めた納得解というものをそれぞれ探し出していくことになろうかというふうに思います。そうしたことについて、県のほうもお力添えをさせていただきたいというふうに思っております。

再質問2

 それでは、最後の質問といたします。
先ほどの裁判でありますが、決して知事からこの時期にコメントを求めるつもりもありません。私の役割として、議場を通じて広く県民にこういう事態であるということを知らしめたいということもあるものですから、少し話をさせていただきたいと思うのです。
今、この部落調査復刻版差止め訴訟は、もう佳境に入っています。多分明後日、3月18日は結審をして、そう遠くないうちにこの問題は判決が出ます。ループの主張のように被差別部落のリストを出版差止めすることは、これは私たちの権利の侵害なのだと。そしてそれは学術と、あるいは研究をするために掲載をしていると。私たちは、それは差別につながるからやめなさいと、そういう判決が出ます。判決から、その後にしっかり議論を進めていきたいというふうに思います。現状を報告させていただきたいというふうに思います。
最後に、教育長には、本議会をもって退任をされるような報道に触れまして、私は教育長とは2年しかお付き合いがありませんでした。でもその際に、いつも示唆に富んだ、時として、先ほどのように質問以上の例示を示して御答弁をいただき御指導いただきましたことにお礼を申し上げたいというふうに思います。ありがとうございました。
議長、以上で私の質問を終わります。

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